ピークコンディション:クールシュヴェルとグシュタード

エディトリアル

世界最高峰の美食、完璧なスロープ、優雅なアプレスキーを極められる場所。クールシュヴェルとグシュタードがアルペンスキーの珠宝と言われる所以です。

アルプスでは、冬が早く訪れます。「気候が本格的に変わり始めるのは、10月下旬頃からです」と語るのは、スイスの名門校スヴレッタ スノースポーツスクールの理事長パトリック・ウィエーダークハー氏です。「この時期から特有のピリピリとした寒さがやって来ます。夜になると気温は-10℃にまで下がり、空気は乾燥し、澄みきっています。例年、11月の末までには雪が山頂から谷底にまで広がります。」

この時期、グシュタードやクールシュヴェル、ウィエーダークハー氏のスクールが立地するサンモリッツなどの街にはっきりとした変化が現れます。色鮮やかな秋色から眩しい白銀の世界への移り変わるだけではなく、暮らしも賑やかになってきます。道行く人が襟を立てて建物の中へと暖を求めるなか、スリルを求める世界中の人々がスキーシーズンの始まりと共にゴアテックスのジャケットを着込んで山の上部を目指します。雪は、僻地にある山々の谷間を世界で最もファッショナブルな場所へと変貌させるのです。

例えば、クールシュヴェルは、比較的最近開拓された場所であり、1940年代ヴィシー政権の下、フランスの官僚がタランテーズ谷にスキーリゾートを作ろうと提案したのがきっかけでした。クーシュヴェルとは対照的にグシュタードは、農村としてのルーツがあり、それは1400年代に遡ります。また、サンモリッツは、青銅器時代から定住がみられました。

そんな中、サンモリッツが冬の魅力にどこよりも早く目をつけました。1864年、ホテル クルムの経営者であったヨハネス・バドルット氏が英国貴族の一行と賭けをしました。アルプスで過ごす冬が、天候に恵まれた快適な夏と同じくらい楽しいと感じて頂けなかったら、旅行の費用を返金するというものでした。英国貴族は冬のアルプスの魅力に目覚め、それ以来、毎冬ヨーロッパの貴族たちがアルプスのスキーリゾートを訪れるようになりました。

息を呑むような壮観な山景、滑りで味わう爽快感、顔馴染みの支配人に挨拶を交わし、ドアを通り抜けるとバーではいつものカクテルが用意されるといった歓びに満たされるのです。クールシュヴェルやグシュタード、サンモリッツなどの行楽地はいずれも同じような特性を有しているものの、その一部は各々の歴史から生まれたものです。

しかし、数世紀前まで、アルプスの生活は、煌びやかな雰囲気とは無縁の大変厳しい時代がありました。夏は短く、冬は厳しく、通信が十分に整備されていなかったため、貧困が広がり、周辺地域では男性たちが定期的に出稼ぎに行かなければならない状況でした。例えば、スイス人が外国軍に所属して戦うこともありました。一方、ドロミテ人は、家屋の塗装工としてドイツで働いていました。しかし、今やこの場所が世界から注目される場所となったのです。雪だけでなく、シャンパンのためのフルートグラス、スーパーカー、そしてダイヤモンドが日の光を受けてこの地で光り輝くのです。

スキーリゾートは、それぞれ独自の魅力や固有の会員制を有しており、スキーヤーたちは毎年同じ場所を訪れます。彼らは、同じ歓びを味わうために慣れ親しんだお気に入りの場所を再び訪れるのです。



5ツ星ホテルが20軒以上立ち並び、クールシュベヴェル飛行場への道沿いには豪華なプライベートシャレーも見うけられます。


サンモリッツが先駆けであったものの、近年ではクールシュヴェルやグシュタードもその優雅な魅力でスイスの貴婦人たちを魅了しています。しかし、ラ クロワゼットやクールシュヴェルのリフトやゲレンデの辺りは、また違う雰囲気が広がり、このリゾートは、フランスの広大なレトワバレースキー場の一部となっています。第一印象としては、スポーティーなイメージが圧倒的に強いのですが、木々の向こう側にはきらびやかな魅力が潜んでいます。

5ツ星ホテルが20軒以上立ち並び、うち3軒は宮殿に分類されるほど豪華な建物で、豪華なプライベートシャレーがクールシュヴェル飛行場への道沿いに立ち並んでいます。多くは借りる事ができ、ミシュラン級のシェフおよびスタッフのサービスを受けることが可能です。これに加え、美しく整備されたゲレンデがスキーヤーには最高の魅力となり、不動の人気を獲得しているリゾートなのです。

クールシュヴェルでは、ランチは欠かすことのできない重要なイベントで、どのスロープも魅惑的なレストランで溢れています。美食家はサン=マルタン=ド=ベルヴィルのラ・ブイットを目指し、食の聖地とも言われるレネ・メイユーとマキシム・メイユーの味を堪能します。景観を堪能したい人は、飛行場を見下ろすルキャップホーンがうってつけです。広大なテラスでは、太陽が昇るたびに賑わい、ウェイターやゲストが艶やかなレッドカーペットを歩く様子は、社交界のような雰囲気をかもし出しています。メニューやワインリストからも賓客の贅沢さをうかがい知ることができます。

少し控えめなリゾートを求めているのであれば、グシュタードはいかがでしょうか。サンモリッツと同様、グシュタードで過ごす冬の休日には長い伝統があります。このリゾートの代表的な社交場であるグシュタード パレスホテルは1913年に開業しました。60年代と70年代には、エリザベス・テイラーやリチャード・バートン、ジェームズ・ボンド役で有名な俳優ロジャー・ムーアなど銀幕スター御用達のスポットとなりました。既に十分魅力的な場所である上、イーグルスキークラブには、世界有数のレストランがあります。

それ以外にも、グシュタードには、クールシュヴェルやサンモリッツにはない、リラックス志向の休日スタイルが存在します。スキーに加え、サリーヌ谷の美しい山林の景色を眺めながら、風情ある冬の散歩道やスパでのリフレッシュを楽しむ事ができます。

グシュタードのリフトは村の両側に広がり、クリスマスや年末年始を除き、スロープはあまり混み合っておらず快適に利用することができます。ここでは、他のスキーヤーを気にすることなく、豪快なターンを決めたり、ゲレンデの隅々を滑り、スキーを存分に楽しむことができます。

ほとんどのスロープが2,000メートル以下の標高にあります。天候が穏やかであれば、タクシーでコル・デュ・ピヨンへ移動し、ケーブルカーに乗ってレ・ディアブルレまで行くと、3,016メートルのゲレンデでスキーを楽しむこともできます。グシュタードのブティックで買い物を楽しむことも決して忘れないで下さい。アルペン ビレッジは、プラダ、ルイ・ヴィトン、ラルフ・ローレン、そして、もちろんグラフ サロンが立ち並ぶとても優雅な街なのです。

ダイヤモンド アブストラクト バタフライ イヤリング(15.60カラット)、ラウンド ダイヤモンド ブレスレット(18.61カラット)、ダイヤモンド ボンベ リング(16.77カラット)
ダイヤモンド ルナ イヤリング(13.52カラット)、ダイヤモンド スワール リング(10.14カラット)

アルプスの冬とラグジュアリーの関係性はこれからも続いていくのでしょうか。「もちろんです。」 パトリック・ウィエーダークハー氏は続けて、「雪が降るかぎり、人は必ずアルプスにやって来ます。雪は誰しもの心に不思議な神秘を呼び起こし、また楽しい気分にさせてくれます。山々は人々を惹きつけてやまないのです。」

Graff, Courchevel, Rue du Rocher Tel: +33 4 79 24 59 12

Graff, Gstaad, Alpina Tel: +41 33 744 74 80

Graff, Gstaad, Promenade Tel: +41 33 733 81 10